2023/02/15 10:17

灰色の世界を突き進んでいた飛行機がふわっと雲の上に出たように、私の版画に安定と輝きを感じるようになりました。もちろんいまだ私は版画の初心者であり学ぶべきことは多々と感じています。それは一生続くのでしょう。40年来続けてきたアナログ技法による写真製作に対して、版画には手工芸的な技術の積み重ねとより直接的な素材へのアプローチが私を夢中にさせます。一方でそれは最近のデジタル技術の介添なしには成り立たず、まさにPhtogravure-Printははじまったばかりだと感じています。モチーフの放つ光と質感描写、心地よいノイズのような陰影、そして凹版用インクの香りが私を次の創作へと駆り立てるのです。