ABOUT

光と影の織りなす世界を捉えたい。それは私の飽くなき追求です。

デジタル技術による製作が全盛の今日、手作業によるプリントの素晴らしさを再認識したのは2015年 米国オレゴン州ポートランドの写真家 Ray Bidegain 氏との出会いでした。プラチナ・パラジウム技法の豊穣で深遠なる世界を感じたのです。「侘び・寂び」移ろいゆく影と光を定着させる媒体としての紙と、それを支える技法をより強く意識してゆきました。その後、ポリマーベースのグラビアプリントとの出会いは、より根源的な手仕事による表現の世界へと私を導いていったのです。最新の画像処理技術にも触れながら、古典的な版画製作に魅せられてゆきました。それは我が国で、また世界中で何百年も愛されてきた技法でもあります。私はこれからもレンズの目を通して、自分の内なる世界を表現していきたいと思っています。

井上 喜雄 愛知県名古屋市 1966年生まれ

www.flickr.com/photos/197424282@N05/